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くれないづきの見る夢は 紅い涙を流すこと 透明な血を流すこと 孤独にのまれず生きること
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○月○日

『本日は李厘様が失礼しました。
 友達と遊んできたとでも言うように貴方たちの事を話す李厘様にも困ったものです。
 遊び疲れた、と言いながら、お腹が空いた、と夕飯を催促する李厘様、今日は何を作りましょう。』

「李厘さんには大したお構いもしませんで、すみませんでした。
 彼女には、三蔵が肉まんを5つほど食べさせていましたので、食べすぎにならないよう、気をつけてあげてくださいね?
 僕たちは今夜は野宿なので、いつものように、適当に食材を入れたボリュームたっぷりのお鍋にでもしましょうかねぇ。
 味よりも量優先になってしまうので、腕の振るいがいがなくて、少し寂しいです。」


×月□日

「今日、滞在している街には大きなスーパーがありました。
 明後日は安売りの日だそうですので、明々後日までは滞在します。
 生鮮食品も安価で、宿の厨房を借りられることになったので、久しぶりに美味しいものでも作りましょう。
 旅の食材に生鮮食品が向かないのが残念です。
 この間教わった、保存食をいくつか作っておこうと思います。」

『どちらの街にご滞在ですか?
 私も明後日、その街に食品の買い出しに行こうと思います。
 お逢い出来るといいですね。
 よろしければ、新しい保存食のレシピをいくつかと、お薬を少し持って行こうと思います。』

「今、滞在している街は…○○という街です。
 街の方々に迷惑になるといけませんので、他言無用に願えますか?
 いつもすみません、ありがとうございます。
 それでは、僕も…李厘さんが喜びそうなお料理のレシピをいくつか用意しておきますね?
 では、明後日に。」


×月△日

『今日は…少しお元気がなかったようにお見受けしましたが、大丈夫ですか?』

「ああ…すみません。八百鼡さんにまで心配させてしまいましたね。
 なんでもありませんよ、いつものことです。
 悟浄が…女性を口説いて朝帰り、なんて…」

『また、悟浄さん、ですか…。
 まだ三日、ですよね?
 三日でそんな…』

「一晩で、というのも珍しくないですから…。
 もう、諦めていますよ。
 今夜も、別れの挨拶に行く、と出かけてしまいました。
 せっかく、彼の好きな料理を作ったのに…
 ああ、すみません。愚痴ってしまいました。」

『仕方のない方ですねぇ、悟浄さん…。
 よく、我慢してますね、八戒さんは。
 あ、今日渡したお薬の中に、赤い包み紙のものを一つだけ入れてあります。
 次、街で何日か滞在することになった時、悟浄さんに投薬してみてください。』

「何、ですか?」

『男性が…その…元気にならなくなるお薬、です。
 自分を守るために作ったお薬なのですが、もし、八戒さんのお役に立てば、と思ったので。
 必要なければ、捨ててください。』

「ありがとうございます。
 そう、ですね…。
 今度、お灸を据える意味で使ってみます。」

『私も実際に使ったことはないので、よければ、レポートをお待ちしています。』

「はい、必ず。」


○月×日

「八百鼡さんのお薬、すごいですねぇ。
 悟浄にはいい薬になったようです。
 青い顔をして帰って来たと思ったら、情けなさそうな顔をして僕に縋ってきましたよ?
 あれ、効果は何日ぐらいなんですか?」

『どれだけ効果が続くのか、その辺りが未知数なのですが…。
 それ以外、身体には害はないと思いますので、そのうち、効果は消えると思います。
 今、悟浄さんはどうしていますか?』

「お酒を飲んでふて寝しちゃいましたよ。
 今回は、三蔵が三仏神と連絡を取る必要があるとかで、一週間は滞在する予定ですので、その間、効果が続いてくれると助かりますねぇ。
 平和で。」

『八戒さん、ひどいこと言いますねぇ。
 でも、お役に立たみたいで良かったです。
 必要ならまた仰ってくださいね?
 調合しますので。』

「ええ、ありがとうございます。
 でも…これで少しは懲りてくれるんじゃないかと思ってますよ?
 女性に結構ひどい事言われたようなので。
 でも…お守り代わりによければもう一個だけいただけますか?」

『はい。
 では、次にお逢いできるとき、持って行きますね?』

「ええ、お願いします。」


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 八戒さん、ですか?
 
 あの方とは…よく、お料理のお話や健康情報の交換をさせていただいています。
 知識が豊富で、私も感心させられることが、多々あります。

 え?
 どこで話しているのか、ですか?
 実は…メールアドレスを交換してます。意外でしょうか?

 敵ではあるはず、なんですけど…
 主婦友達、とでも言うんでしょうか?
 笑わないでくださいます?
 私、本気でそう思っているんですけど…。


 は?
 え?
 異性として、ですか?
 私には…紅孩児様がいらっしゃいますから……。
 あら、やだ…何を言わせるんですか…。

 甘え上手な方の方が、あの方にはお似合いかもしれませんね。




 

 猪八戒…か…。

 頭のいい…男、だな…。

 奴が…妖怪でなければ…ヘイゼルと、いい友人になれたのでは…と思う。

 俺は…ただの死者で従者、だ。ヘイゼルに意見を言うことは…ない。

 ヘイゼルには…生きた…対等の友人が…必要なんだと……。

 すべてが終わった時……。

 ヘイゼルの横に俺はいない、だろう。

 それでも…

 ヘイゼルが一人ではないことを願う…。

 隣に…奴が居て欲しいと…。

 奴と言いあうヘイゼルは……どこか…楽しそう…だから…。



 猪八戒??

 あ~…悟浄んとこにいた、あの優男、か…。

 怖ぇ男だったなぁ。
 細っこくて、優しい顔してっくせによ。
 迫力、すげぇんだよな…。妖怪に対する、敵対心、っての。
 凄まじくってよ。

 自分の存在そのものを否定してて、さ。
 悟浄はあいつを拾った、つってたけど、わかる気はするわ。
 なんか…まぁ、ほっとけねぇ、っつ~か?

 ま、俺は…拾う気もねぇし、一緒に住むのも勘弁して欲しいけどよ。


 そんでも…あいつと一緒にいる悟浄は…なんかさ、いい顔してたんじゃねぇの?
 戸惑って、どっか遠慮みてぇなのも見えたけど。


 悔しいかな、俺とよりいいコンビになんじゃねぇのかね、あの二人。



 鳥が自由だなんて…誰が決めたんでしょうね…。

 江流……いえ…玄奘三蔵。


 あの子が集めた仲間は、皆、帰る場所を持たぬ鳥だったのかもしれませんね。
 あの子自身も含めて。


 その中で、一瞬でも…帰る場所を持っていたのが…彼、だったのかもしれません。
 私は…あの子の帰る場所にはなってやれなかった。


 帰る場所のある自由を、帰る場所の温もりを知っている彼が、あの子や…あの子の仲間の帰る場所を作ってくれる、私はそう、信じています。


 あの子たちが羽ばたく自由を、彼自身も羽ばたくために。
 彼は、必要なのでしょうね。




 私は…いつでも見ていますよ?

 空の上から…夜道を照らす…月となって。
 帰る場所を…彼をあの子がいつでも見つけられるように。


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夏風亭心太


 酒、煙草が好き。
 猫好き、爬虫類好き。でも、虫は全部駄目。
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