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くれないづきの見る夢は 紅い涙を流すこと 透明な血を流すこと 孤独にのまれず生きること
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 それに理由なんていんの?
 おいくらですか? なんて聞くから思わず、高ぇぞ、つったけどさ。
 なんで素直に受け取れねぇのかなぁ、お前は。
 そんなに迷惑だった? それとも、茶化しちまうほど変だった? 
 俺だってさ、考えてんの、これでも。
 いいから受け取れっての、俺の心。


 貴方の心。受け取ったのはいいけど。
 迷惑なわけ、ないでしょう? 
 僕は欲張りなんです。貴方がすべてが欲しい。
 だけど。貴方の心は。
 持て余してる? どうやって扱ったらいいのかさえ解らずにらめっこしてるけど。
 鍵付きの固い鋼鉄の入れ物の中の貴方の心。
 僕に開けられるの?


 鍵ならお前が持ってる。
 お前に開けて貰うために入れたんだぜ、この入れ物に。
 欲張りだって言うならさ、全部受け取ってよ。
 もっともっとって強請ってよ。
 お前のモンなんだからさ、どう扱ったらいいか、なんて悩んでねぇでさ。
 俺、そんなに脆くねぇぞ? なぁ、今すぐ、あけて?



 鍵の開け方。差し込んで回すだけ。
 それなのに。
 それがものすごく難しい事のように感じて。
 鍵はいつも握りしめているのに。鍵穴へ差し込む事さえ躊躇してしまう。
 ナニガソンナニコワイノ?
 気付いているはずなのに。知っているはずなのに。
 本当の、貴方の気持ちが、コワイ。


 俺の気持ちはいつもまっすぐだぜ? まっすぐにお前だけを見てる。
 怖がるなよ、ほら、鍵穴はここだぜ? 差し込んで回せよ、今すぐに。
 俺の心が苦しんでる。
 暗い暗いこの箱の中で腐っちまう前に、開けてくんねぇ? お前が嫌じゃねぇなら…お前が俺を思ってくれんなら、早く…


 その真っ直ぐな気持ちに向き合うのが、コワイ。
 怖くてこわくてコワクテ。
 赤黒く染まった僕の手ではその鍵は開けられない。
 これ以上貴方を巻き込み苦しめたくない。
 堕ちるのは、僕だけで、いい。
 あのヒトへの気持ちを抱えたまま貴方の気持ちを受け止めるのは。
 僕の、エゴ。



 コワイなら見なくていいから受け止めて、何も言わずに。
 お前の色が手を染めるその色だって言うのなら俺も一緒に染まるから、その腕で抱き締めて。
 お前が堕ちるその場所まで、俺も一緒に堕ちるから。
 お前の心に住むのが俺じゃなくても構わない。
 お前を手放せない。
 俺のエゴ。


 受け止めたい。受け入れたい。
 全てが、全てを。
 もう何処にも行かないで。もう僕の前から消えないで。
 イッショニオチテクダサイ。
 ココロだけじゃなくて、身体も。
 あの日から。
 貴方に背負われたその日から。僕はそれを望んでいたのかもしれない。
 深い深い闇へ、堕ちていく。


 お前が受け止めて受け入れてくれるなら。
 俺はどこまでも一緒に行こう。
 心も身体も、全部お前にやるから。
 俺から離れないで? 俺にお前の心をちょうだい? 
 初めてお前を背負った日から。
 俺はお前と歩むと決めたんだから。



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 ファサリ、と軍服の裾を翻して。
 真っ白な手袋を嵌めて。
 いつも猫背の背中がしゃきっ、と伸びて。
 すべてを自分一人で背負おうとする強がりな顔と俺にだけ見せるすべてを委ねる顔の落差に。
 真っ黒なはずの影が藍色に染まって見えて酩酊感を覚える。
 今すぐにでもお前を抱きたい。
【「藍色」「見せる」「影」】



 食え。
 そう言って差し出された物を見る。
 なんですか、これ? 
 思わず問うほどにそれが何かわからなくて。
 さぁ? 
 困ったように首を傾げながら、
食えるからいいじゃん。
 とまっすぐに見つめられれば何も言えず、思わず口に運ぶ。
 それは、しょっぱくて甘くて…美味しかった。
【『手作りの○○』】



 鍵をかけたのは、誰? この思いに。
 風に吹かれて飛んで行ってしまいそうな、そんなちっぽけな思い。
 鍵だけが重くて、辛うじて飛ばずに僕の心に残ってる。
 飛ばせないなら心の陰にそっと隠して。
 貴方が好きだというこの思いは、あなたのかけた鍵で繋ぎ止められている。
【陰 風 鍵】




 それは技術か知識か。
 俺たちを苦しめるそれは…。
 彼奴の術に翻弄される。
 成す術もない俺たちを、彼奴は嘲笑う。
 その声は耳ざわりで。
 それでも俺たちはそいつに立ち向かうしかない。
 勝てるまで、何度でも。
 最後に「うるせぇ」とたった一言、言ってやるために。
【「エネミー」「技術」「うるさい」】

 喫茶店の4人掛けのテーブルで。真ん中に灰皿一つ。
 なんで向かいに座んねぇんだよ、と言っても聞いてくれず、ただ微かに笑うだけで。
 そーいやこいつと二人でサテンなんざ初めてだと気づいて。
 急にこっ恥ずかしくなって、それを隠すようにタバコに手を伸ばせば。 つん、と鼻につく匂いがして、店の名前が書かれたマッチで火が点される。
 店の大きな窓の外は雨でけぶってて。
 その雨に降られて入ったここは、静かなJazzのかかるいい雰囲気の店で。
 香ばしい薫りがしてして、珈琲が運ばれてきた。
「てめぇと一緒なら…雨も…悪くねぇ…」
 そんな声が聞こえた気がして、はっ、と顔を見つめるが、あいつは何事もなかったように珈琲カップに手を伸ばし、薫りを楽しんでいるだけで。
 俺はただ、窓に映り込むその金色と、優しい色を浮かべてカップを見るその顔に、見惚れてた。




 逃げ道を探すように視線が揺れる。
 嘘をついてると僕にはすぐわかる。
 僕を騙そうなんて100年早いですよ?
 ただ飲みに行っただけ?
 じゃぁ、なんですか? その背中の爪跡は。
 困ったような表情で笑う彼に僕はため息をつく。
 今日はね、これで勘弁してあげます。
 首筋に跡をつけた。
【「逃げ道」「騙す」「背中」】



 嫉妬なんかしてんじゃねぇよ。
 俺の紅を映す碧の瞳が寂しげで。
 抱き締めたいと思って伸ばした手が動かない。
 仕方ねぇから笑って見せたらいきなり抱きついてきて。
 首筋にちりり、と身体に馴染んだ微かな痛み。
 その肩に手を置いて。
 微力だけど傍にいっから。
 そんな顔、すんな。
【「嫉妬」「映す」「微力」】



 どんな痛みも。どんな苦しみも。辛くはない。
 あいつが背負ってるもんに比べたら。
 通りすがりにあいつに囁かれたあの一言が、氷のように冷たくて鋭利なナイフで肌をなぞられたかのような痛みを、俺の心に与えた。
 あの小さな背中に。
 すべての終末を見た、気がした。
【「氷」「鋭利」「囁く」】


 天使の卵ひとつ。
 暖めると天使が孵るという。
 愛情を注ぐと孵るという。

 しっかりと胸に抱いて暖めた。

 ほどなく卵はゆらゆらゆら。
 中からノックするような音がしてひび割れて…

 天使が生まれた。




 紅い髪と紅い羽、わんこの耳を持った天使だった。

 ごじょわん天使、体長は8センチほど。
 片手にすっぽり収まるサイズのその子は孵してくれた子をどう思ったのか、ずっと傍から離れない。
 寒いときは服の中。暖かいと頭の上。

 そうして離れずに、孵してくれたその子とずっとずっと一緒。

 今は守ってもらってるけど、いつかその子を守ってあげらる、そんな夢を見て、今日もその子の胸に抱かれて夢を見ている。


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