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くれないづきの見る夢は 紅い涙を流すこと 透明な血を流すこと 孤独にのまれず生きること
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 コトが終わって、女を腕枕してまどろんでた。
 頬に触れられ、意識が浮上する。
 女が悲しげな顔で俺を見てた。

「ん? 何?」

 寝返りを打って女の方に身体を寄せると、女は俺の目を覗き込んで聞いた。

「痛く、ないの?」

 俺の傷跡を女の指が、爪がなぞる。
 まるであの時の…俺の頬を掠めた刃物のようで…。



 コレは、アノヒトに与えられたもの。
 それが痛みでも苦しみでも…アノヒトの最後の思い出。
 傷が治って跡が薄れてくるたび、それをなぞるように何度も何度も自分で傷付けた。
 やがてそれはしっかりと跡になり、消えることはなくなった。
 アノヒトへの贖罪か、それとも恋慕か。
 どっちも、なんだろう。
 最後のあのときの、どこかホッとしたように逝ったアノヒトの顔が、忘れられない。



 その手を掴んで、俺はもう一度、女に圧し掛かった。




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 目から透き通ったナニカが零れる。
 それを大きな手が拭ってくれたからその温もりに甘えるように目を閉じてすり寄った。
 それを全部受け止めてくれるこの温もりに僕は全部を預けて眠ってしまえたら、と思う。
 悲しい思い出のすべてを忘れさせて欲しい……。
【「曼珠沙華」「透き通る」「手」】



 お前と共に紡ぐ未来がどんなものだろうとも。
 ただ、一緒にいられる、それが幸せ。
 この身体が動かなくなろうと、瞳が光を失おうと、お前の声が俺を導いてくれる。
 この生命線の終わりまで。
 ただ、お前と共に歩みたい。
【「未来」「生命線」「声」】



 多くの言葉なんかいらねぇ。
 ただ一緒にいるだけで。
 隣にお前の温もりを感じているだけで。
 俺はどこへだって行ける。
 お前の右が、俺の居場所。
 この頬の傷は…過去はすべてお前に預ける。
 お前の過去は俺が預かるから。
 だから…どこまでも、一緒に飛ぼう。
【「多い」「右」「飛ぶ」】



「意地っ張りですねぇ。この怪我、痛むんじゃないですか?」
 そう言いながら差し出された手をマジマジと眺める。
 気孔を使うつもりなの? お前だって疲れてんだろ? 無理すんな。
 言いたい言葉を飲み込んでその手を取ったら圧し掛かられた。
 その確かな重みに傷の痛みは紛れた。
【「紛れる」「意地」「重み」】

 黙って文字を追うあいつの顔を眺めてた。
 本に没頭してるその横顔は好きだ。
 けど、その顔に距離を感じる。
 声をかけづらくて、黙って見てた。
 急にあいつの手の中の本が不機嫌そうな音を立てて閉じられる。
「言いたい事があるなら言ったらどうです?」
 いきなり、キスされた。
【「文字」「距離」「不機嫌」】



 例えば、この思いが恋ではなかったとしても。
 また逢おうと約束したのなら。
 記憶にはない古い古い約束でも…。
 今、ここにこうして一緒にいることが。
 こうして肩を並べて桜を見上げていられることが。
 それがすべてだと。
 恋じゃなくても、アイシテル。
 これが、本音。
【「古い」「例」「本音」】



 心の中を巡る思い。
 ただ、愛おしいと思う心。
 独り占めしたい、と我侭言いたくて、でも言えなくて。
 あなたがいれば何もいらない。
 そう思えるほど、あなたに執着してる自分が滑稽で。
 そんな感情のすべてをこの場所に置いて。
 あなたと…彼らと旅に出る。
 明日を目指して。
【「明日」「置く」「巡る」】




 プライド高ぇくせに気まぐれで…。
 ホント、水でもぶっかけてやりてぇ。
 そんで、驚いたような顔で俺を見るその紫の目を塞いで思う様に蹂躙して…。
 妄想はいつも暴走すっけど…。
 結局なんもできなくてこっち向いてくれんのを待ってるだけ。
 仕方ねぇ…惚れた弱みってやつだ。
【「高い」「気まぐれ」「水」】



 身近にあった温もりを腕の中の閉じ込める。
 まだ夜明け前。
 真っ暗な中、その温もりが心地好くて、もう一度微睡もうと体勢を整える。
 途端に、下腹部に強烈な痛みが走った。
「ってぇ! 何しやがる!」
 眠気が吹っ飛んで目を開くと…あいつとは違う茶色い髪。
…間違えた…。
【「身近」「暗い」「間違い」】



 トラブルイズマイビジネスだっけ?
 まぁ、そういうんじゃねぇけど。
 ずっとトラブルとは友人関係。
 実際、この旅もトラブル続き。
 けど、だからこそ面白い。
 生きるのも死ぬのすら面倒くせぇと思ってた俺が、だぜ?
 今日も敵襲来の連絡で、冷静に笑っていられる俺がいる。
【「連絡」「トラブル」「冷静」】



 あの人を待つ夜。
 日中は温かくて一人でも淋しいとは思わないけど。
 日が落ちて気温が下がると途端に。
 あの人の温もりが欲しいと思ってしまう。
 暖を取るために暖かい飲み物でも、とやかんを火にかけた。
 湯が沸いたと知らせるやけに明るい音が…淋しいと感じる心の邪魔をした。
【「やかん」「明るい」「邪魔」】




 目を閉じると雨の音だけが心を満たす。
 あの日から、雨は嫌い。
 こんな日は彼女を思い出すから。
 急に背後から抱き締められた。
 その腕に縋りつく。
 この黒い思いを飲み込んで僕はその温もりに笑顔を向けた。
【「飲み込む」「音」「黒」】


うたた寝をする貴方の顔が眩しそうにしてたから。
 その眉間に寄った皺にそっと口づけようとした。
 そうしたら僕の影は貴方に降り注ぐ光を遮って、皺がなくなってしまった。
 だから、そっと大事な言葉を耳の中に囁いた。
 眠ったままの貴方は甘い笑顔を浮かべて僕を腕に閉じ込めた。
【「顔」「遮る」「甘い」】


 すべてを投げ出してお前と一緒にいられたら。
 そう思ったところで無理なこともわかってる。
 思いだけが空回りする。
 それでも…この春の日差しの中、微睡むだけの短い時を…。
 一緒にいられるこの短い時が…止まってしまえ、と願うわがままは許してもらえるだろうか?
【「投げる」「時」「短い」】



「あんたには他人事かもしんねぇけど。俺はマジなんだって。あんたにあいつを譲る気はねぇ。あいつは俺のもん。あんたが望んだってダメ」
 そう言い切ってみたけど。
 夕日に映えるその金糸に俺は不安になる。
 俺なんかよりこいつの方があいつには似合いなんじゃねぇか、って。
【「他人」「映える」「譲る」】



 他愛もない会話を一晩中続けた。
 野営も何日も続けば眠れるがベッドで眠りそれなりに皆、体力もあったから。
 それでも三蔵と悟空が黙ると静けさに包まれる。
「お前は寝なくて平気?」
 心配そうに聞く彼に微笑んで東の空を指差した。
 明るくなる空を彼と一緒に眺められる幸せ。
【「会話」「空」「明るい」】


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夏風亭心太


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 猫好き、爬虫類好き。でも、虫は全部駄目。
 夜が好き。月が好き。雨の日が好き。
 
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