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くれないづきの見る夢は 紅い涙を流すこと 透明な血を流すこと 孤独にのまれず生きること
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 俺とお前との距離は遠い。
 渡るための橋さえかける事もできないほどに。
 それなのに俺はお前を縛らずにはいられない。
 アイシテル、と残酷な言葉で。
 本心は自分が傷つきたくないだけ。遠い距離を感じたくないだけ。
 そう、俺は…狡い…。


 狡いのは僕も一緒。
 「アイシテル」と残酷な言葉を貴方の耳元で囁き続け。
 これじゃまるで洗脳だ。
 遠い距離を無視して眺め続け。
 都合の良いように貴方の言葉を変換し。
 何時まで自分を欺ける?
 そうやって貴方から逃げているのかも、しれない。
 貴方の心の奥底に有るものから。


 もっと聞かせて、その残酷な言葉を。
 俺も何度も言うから…。
 「アイシテル」お前を欺くその言葉は俺をも同等に欺く。
 洗脳でもなんでもいい。
 この心の距離が埋まるなら。
 きっとこの残酷な言葉は、唯一、俺とお前を繋ぐ架け橋。


 じゃあ何度でも。
 貴方がもう僕のことなんか要らないというその日まで。
 呪文のように囁き続ける。
 距離が縮まって重なるその日まで。
 欺き続けた貴方のそのキモチがホンモノになるその日まで。
 僕は今日も貴方の耳元で囁き続ける。
 「アイシテル」そして。
 「ボクヲアイシテ?」


 いつになったらこの距離はなくなる?
 埋まったんだと信じたくて今日もあの残酷な言葉を囁き続ける。
 欺くための残酷な言葉はとても耳に心地好くて。
 甘くて。
 残酷だなんて感じなくなったら距離はなくなるの?
 目の前にいるのに遠いお前に今日も…「アイシテル」


 貴方の声でその言葉が聴きたいから。
 それなら距離は埋まらなくていい。
 遠い遠い距離を縮めるために貴方がその言葉を僕にくれるのなら。
 それなら。
 この距離さえ愛おしく思える。
 遠くて近い、近くて遠い、謎解きのような距離。
 今日も貴方のくれた「アイシテル」明日も、ね?


 簡単に手を触れるコトは出来るのに。
 お前の心を手に取るコトはできなくて。
 この距離がもどかしい。
 俺の言葉は空回りしてねぇ?
 ちゃんとお前に届いてる?
 心を隔てるこの距離は…永遠に埋まらないのではないか、と思えてしまう。
 その不安を拭い去るように…「アイシテル」


 届いてますよ。
 この言葉すら届いていないのかもしれないけど。
 僕のココロは貴方の胸の中。
 預けたでしょう?
 探し物は意外と近くに在るもの。
 ほら。
 その手でしっかりと受け取って貴方の胸の中に大切に仕舞ってくれたじゃないですか。
 もっと触れて。
 僕にも、僕のココロにも。


 お前に触れたい。
 お前の心に。
 でも、手を伸ばして届くのはお前の手だけで。
 どこを探しても心は見つからない。
 それはこの距離のせい?
 それとも…お前の心はここにはないから?
 だったら…どこを探せば見つかる?
 俺はどこに行ったらいい?
 一緒に探して?
 お前の…俺の心を。







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 温もりもしっかりとわかるのに。
 それでも心はそれを拒否する。
 架空のものだと信じたいのだ。
 俺に向かって与えられる愛情も微笑みも全部架空のものだと。
 俺にはそれをもらう資格などないから。
 寂しい微笑みで掴んだ手を離したら…抱き締められた。
 それは確かに存在してた。


 貴方が貰ってくれるというから。
 僕のこの汚れた手もカラダもキモチも全てを。
 この僕という存在全てを。
 それなのに架空じゃない。
 此処に居る。
 貴方のすぐ隣に。
 離さないで。
 今度は僕が抱きとめて包むから。
 貴方の存在全てを。
 僕にくれるんでしょう?
 それなら。
 離さないで。


 俺でいいの?
 本当に?
 誰からも愛されなかったから、愛し方も知らない。
 どう愛されればいいかもわからないのに。
 離すなというなら、離さない。
 愛することは知らなくたって、欲しいモンはある。
 例えば…お前のこの温もり。
 架空の存在じゃねぇというなら…もっと感じさせて?


 本当の愛し方なんて誰にも解らない。
 僕だって。
 本当の愛され方なんて誰にも解らない。
 模範解答が欲しいの?
 欲しいとか感じたいとか。
 そういうシンプルな、本能の赴くままじゃだめですか?
 DNAにプログラムされたままに求め合えば、それが正解だから。
 僕も。
 カンジタイ。


 模範解答なんていらない。
 俺は必要とされているんだと…ただそれだけを信じたい。
 本能じゃないとこで、本当の心を感じたい。
 俺の存在が虚構じゃないと…この温もりが嘘じゃないと…。
 貪欲なまでに求めてる。
 愛して欲しいと。
 縋って伸ばした手をしっかりと掴んで欲しい。


 信じたいなら、信じればいい。
 僕は、ずっと信じてきた。
 虚構や嘘、というのならそれでも僕はかまわない。
 その虚構や嘘でも信じていけるから。
 それほどまでに網膜に焼き付いた紅は嘘偽りなく僕を求めてくれている気がして。
 縋った手は掴んで離さない。
 欲張りな僕、だから。


 お前のその碧の瞳が俺を見ていてくれるなら。
 それはきっと嘘でも虚構でもないんだ。
 そう自分に言い聞かせて。
 愛とか恋とか不確かなものよりも。
 この腕の中の温もりを信じよう。
 これだけが、俺のモノだと言い切れるから。




 それに理由なんていんの?
 おいくらですか? なんて聞くから思わず、高ぇぞ、つったけどさ。
 なんで素直に受け取れねぇのかなぁ、お前は。
 そんなに迷惑だった? それとも、茶化しちまうほど変だった? 
 俺だってさ、考えてんの、これでも。
 いいから受け取れっての、俺の心。


 貴方の心。受け取ったのはいいけど。
 迷惑なわけ、ないでしょう? 
 僕は欲張りなんです。貴方がすべてが欲しい。
 だけど。貴方の心は。
 持て余してる? どうやって扱ったらいいのかさえ解らずにらめっこしてるけど。
 鍵付きの固い鋼鉄の入れ物の中の貴方の心。
 僕に開けられるの?


 鍵ならお前が持ってる。
 お前に開けて貰うために入れたんだぜ、この入れ物に。
 欲張りだって言うならさ、全部受け取ってよ。
 もっともっとって強請ってよ。
 お前のモンなんだからさ、どう扱ったらいいか、なんて悩んでねぇでさ。
 俺、そんなに脆くねぇぞ? なぁ、今すぐ、あけて?



 鍵の開け方。差し込んで回すだけ。
 それなのに。
 それがものすごく難しい事のように感じて。
 鍵はいつも握りしめているのに。鍵穴へ差し込む事さえ躊躇してしまう。
 ナニガソンナニコワイノ?
 気付いているはずなのに。知っているはずなのに。
 本当の、貴方の気持ちが、コワイ。


 俺の気持ちはいつもまっすぐだぜ? まっすぐにお前だけを見てる。
 怖がるなよ、ほら、鍵穴はここだぜ? 差し込んで回せよ、今すぐに。
 俺の心が苦しんでる。
 暗い暗いこの箱の中で腐っちまう前に、開けてくんねぇ? お前が嫌じゃねぇなら…お前が俺を思ってくれんなら、早く…


 その真っ直ぐな気持ちに向き合うのが、コワイ。
 怖くてこわくてコワクテ。
 赤黒く染まった僕の手ではその鍵は開けられない。
 これ以上貴方を巻き込み苦しめたくない。
 堕ちるのは、僕だけで、いい。
 あのヒトへの気持ちを抱えたまま貴方の気持ちを受け止めるのは。
 僕の、エゴ。



 コワイなら見なくていいから受け止めて、何も言わずに。
 お前の色が手を染めるその色だって言うのなら俺も一緒に染まるから、その腕で抱き締めて。
 お前が堕ちるその場所まで、俺も一緒に堕ちるから。
 お前の心に住むのが俺じゃなくても構わない。
 お前を手放せない。
 俺のエゴ。


 受け止めたい。受け入れたい。
 全てが、全てを。
 もう何処にも行かないで。もう僕の前から消えないで。
 イッショニオチテクダサイ。
 ココロだけじゃなくて、身体も。
 あの日から。
 貴方に背負われたその日から。僕はそれを望んでいたのかもしれない。
 深い深い闇へ、堕ちていく。


 お前が受け止めて受け入れてくれるなら。
 俺はどこまでも一緒に行こう。
 心も身体も、全部お前にやるから。
 俺から離れないで? 俺にお前の心をちょうだい? 
 初めてお前を背負った日から。
 俺はお前と歩むと決めたんだから。




 ファサリ、と軍服の裾を翻して。
 真っ白な手袋を嵌めて。
 いつも猫背の背中がしゃきっ、と伸びて。
 すべてを自分一人で背負おうとする強がりな顔と俺にだけ見せるすべてを委ねる顔の落差に。
 真っ黒なはずの影が藍色に染まって見えて酩酊感を覚える。
 今すぐにでもお前を抱きたい。
【「藍色」「見せる」「影」】



 食え。
 そう言って差し出された物を見る。
 なんですか、これ? 
 思わず問うほどにそれが何かわからなくて。
 さぁ? 
 困ったように首を傾げながら、
食えるからいいじゃん。
 とまっすぐに見つめられれば何も言えず、思わず口に運ぶ。
 それは、しょっぱくて甘くて…美味しかった。
【『手作りの○○』】



 鍵をかけたのは、誰? この思いに。
 風に吹かれて飛んで行ってしまいそうな、そんなちっぽけな思い。
 鍵だけが重くて、辛うじて飛ばずに僕の心に残ってる。
 飛ばせないなら心の陰にそっと隠して。
 貴方が好きだというこの思いは、あなたのかけた鍵で繋ぎ止められている。
【陰 風 鍵】




 それは技術か知識か。
 俺たちを苦しめるそれは…。
 彼奴の術に翻弄される。
 成す術もない俺たちを、彼奴は嘲笑う。
 その声は耳ざわりで。
 それでも俺たちはそいつに立ち向かうしかない。
 勝てるまで、何度でも。
 最後に「うるせぇ」とたった一言、言ってやるために。
【「エネミー」「技術」「うるさい」】

 逃げ道を探すように視線が揺れる。
 嘘をついてると僕にはすぐわかる。
 僕を騙そうなんて100年早いですよ?
 ただ飲みに行っただけ?
 じゃぁ、なんですか? その背中の爪跡は。
 困ったような表情で笑う彼に僕はため息をつく。
 今日はね、これで勘弁してあげます。
 首筋に跡をつけた。
【「逃げ道」「騙す」「背中」】



 嫉妬なんかしてんじゃねぇよ。
 俺の紅を映す碧の瞳が寂しげで。
 抱き締めたいと思って伸ばした手が動かない。
 仕方ねぇから笑って見せたらいきなり抱きついてきて。
 首筋にちりり、と身体に馴染んだ微かな痛み。
 その肩に手を置いて。
 微力だけど傍にいっから。
 そんな顔、すんな。
【「嫉妬」「映す」「微力」】



 どんな痛みも。どんな苦しみも。辛くはない。
 あいつが背負ってるもんに比べたら。
 通りすがりにあいつに囁かれたあの一言が、氷のように冷たくて鋭利なナイフで肌をなぞられたかのような痛みを、俺の心に与えた。
 あの小さな背中に。
 すべての終末を見た、気がした。
【「氷」「鋭利」「囁く」】

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