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くれないづきの見る夢は 紅い涙を流すこと 透明な血を流すこと 孤独にのまれず生きること
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 アイシテル、なんて耳元で囁きやがって。
 どんだけ俺の心を逆撫ですりゃ、気がすむ?
 面白味のねぇ冗談だ。
 手を伸ばせば逃げてくくせに。
 抱き締めれば本気で抵抗するくせに。
 あ、そうか…これは、夢。
 俺の願望が見せた夢、なんだな。
 それにしちゃ、随分と存在感はあっけど。


 伸ばされた手から逃げる。
 抱きしめられて抵抗する。
 こわい。
 望んだことなのに。
 こわい。
 それでも本当のココロが確かめたくて今日も囁く「アイシテル」の一言。
 やっぱり伸ばされた大きな温かい手。
 今日は。
 今日こそは。
 それを掴んでみようと自分から手を伸ばす。
 ほら、ね?


 夢にしちゃ、あったけぇな…。
 なんなんだろ、これ。
 夢、じゃねぇのかな?
 でもなぁ…。
 そうだと信じられるほど俺はオメデタくねぇんだわ。
 これは、夢。
 そう、夢、さ。
 夢なら何したっていいよな?
 受け入れてくれるよな?
 誘うようなその唇を自分のそれで塞いでみた。


 塞がれた唇から注ぎ込まれる、何か。
 その何かを必死に受け止めようと貪るけれども。
 零れて消えていく。
 貴方の全てを受け止めたいのに、消えていく。
 それが何なのか、僕には判らないけれど。
 それだけは受け止めないといけない気がするから。
 コレガ、アイッテイウモノナノ?


 触れ合った唇の感触が妙にリアルで。
 呼吸まで貪られて。
 夢じゃねぇんだと実感した。
 だったらさ、コレは何?
 ついこの間まで逃げ惑ってたじゃん?
 なんで今更?
 聞いてみてぇけど。
 聞いたら全部がなかったことになりそうで。
 だったらもう、溺れるだけ。
 このキスに。
 お前に。


 貴方の腕に力が籠り、もう後戻りができないことを悟る。
 それでもいい。
 それが本物じゃなくったって。
 それでもいい。
 まやかしだって自分の脳を偽り誑かせばいいだけ。
 自分を偽るのには慣れている。
 今度は嘘を偽るんじゃなくて本物を偽るだけ。
 簡単でしょう?
 簡単な、コト。


 積極的に返って来るその感触に。
 お前のココロが見えた気がした。
 怖かったんだな、きっと。
 でもさ、それは俺も同じ。
 こんなの不自然だし。
 俺自身、コレがホントのキモチかどうか、わかんなかったし。
 だけどさ、今なら言ってやれる。
 確信したから。
「アイシテル」



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 ペンを握って真っ白な便箋を眺める。
 言葉はいくらでも思いつくのに。
 いざ書こうとすると、たった一文字すら書けず、時間だけが過ぎ去った。
 結局そのままペンを置く。
 封筒に彼の名前と僕の名前。
 受け取った彼の顔の想像はつく。
 何も書いていない便箋に、彼は何を読むのか。
【「想像」「書く」「過ぎる」】


 このココロはガラクタだけど。
 そんでも生きてる。
 どうせ生きてるならば。
 ひとはな咲かせてみるのも悪くない。
 永久に、なんて言わない。
 この一瞬。
 刹那の時を綺麗に咲き誇る婀娜華に。
【「がらくた」「永久」「咲かせる」】


 埃塗れのショーウィンドーの中に見つけたのは。
 とても古びた本でした。
 どうしてもそれが欲しくて。
 でも、店は閉まってて。
 僕はそのくもったガラスの向こうの本をずっとずっと凝視していました。
 いつの間に眠っていたんでしょう。
 それは見難い夢。
 手にはその本がありました。
【「ガラス」「本」「見難い」】


 これが生き残る最後のチャンス。
 そんなことはわかってる。
 そんでも…いや、だからこそ。
 俺はそれをしたくなかった。
 いいんだ、これで…良かったんだ…これで。
 これで、輪廻に乗れる、のだから。
 最後、ではない。
 これも、また、残された、チャンスの一つ。
【「輪」「残る」「チャンス」】








 永い間、待ってた気がする。
 何を?
 それはわからないけど。
 ただ、その笑顔が見たかった。
 覚えてるのは笑顔だけ。
 瞳の色や髪の色、肌の色、そんな詳しいことは何ひとつわからないけど。
 笑顔だけ、覚えてる…。
 あ、もう一個覚えてた。
 この耳たぶの食感。
【「食感」「詳しい」「永い」】


 苦しんで悲しんで。
 薄っすらと目に涙さえ浮かべながら。
 それでもあいつは弱音の一つ吐くわけでもなく。
 不殺生なんざくそくらえだ、と思いながら、今日もその背中を追う。
 折れそうなのに折れない、あいつの心は、性格は…手を伸ばしても掴めそうで掴めない。
【「薄い」「弱音」「性格」】



 伸びる影に顔を上げる。
 あの人の色の空が僕を見下ろしていた。
 もう、そんな時刻なのか…。
 買い物袋を抱えなおして早足になる。
 今夜は出かけないと言っていたっけ、あの人。
 そろそろ咲き始めた花。
 もう、忘れたかな、あの人は。
 この花の下で酒宴をしようとした約束。
 今夜辺り…
【「咲く」「忘れた」「時刻」】


 まだ夜は冷える。
 そんな中、雨が、降った。
 冷たい、雨が。
 それはあいつの涙なのかもしれない、と思う。
 自分の肩を抱き締めて震えるあいつ。
 ろうそくの明かりに光る頬を伝う涙を黙って拭った。
 寒い訳じゃないんです…ここが…。
 胸を押さえるその身体を包みこんだ。
【「ろうそく」「拭う」「寒い」】


 震える肩を見て見ないふり。
 どんな顔してるのか想像はつくけど、見られたくねぇんだろうな、後向いたまんまでさ。
 いいぜ、それで。
 溺れちまえよ、俺に。
 心を閉ざすな。
 古い記憶なんか、封印しちまえ。
 ただ、快楽に溺れるその紫の瞳が、見てぇ。
【「後」「閉ざす」「古い」】


 彼女を失って、自分が見えなくなって。
 ぽっかりと胸に穴が空いた。
 それでも僕は呼吸をしてて。
 それが不思議で仕方なかった。
 貴方に逢うまでは。
 貴方は何も言わず、いつも僕の傍に居てくれる。
 忘れられないけど、乗り越えられそうにないけど。
 それでも乗り切る力をくれる。
【「胸」「空く」「乗り切る」】



 キてごらん?
 モット奥まで。
 イヤがったってワカルんだよ、ボクには。
 だってさ、離したがらないじゃナイ、ボクのコト。
 イイよ、ドコまでも一緒にイこうか?
 キミのすべてを搾り取ってあげる。
 その、心も身体も………命も。
【「奥」「離す」「取る」】


 手を繋ごうとしたら避けられた。
 なんで避けんだよっ。
 怒ったように言うと、困った用な笑顔を向けられた。
 すみません、でもね…。
 伸ばされた手を握ろうとしたら、ビリッってしたんだ。
 静電気ですよ。ちょっと精密な機械持っていたので……。
 悲しそうに手の中の時計を見つめた。
【「電気」「手」「時計」】



 お前と二人、櫻の下で。
 ゆっくりとした時間が過ぎる。
 こんなに傍にいるのに。
 お前の心はいつも空虚で。
 俺の言葉はただ、素通りするだけで。
 それでも優しく髪を梳き、頬に口づけ。
 いつかお前がそれに驚いて、俺の言動すべてにかまえてくれるのを望みながら。


 突然髪を触れられた感触にどきりとし。
 そして頬に貴方の唇。
 なにも感じないように。
 ポーカーフェイス。
 こうやって自分のココロを偽るのは、慣れた。
 このまま感情のまま流されていけたら楽なんだろうなぁ。
 そう頭のどこかで思いながら。
 流れていく雲をぼんやりと見上げた。


 なぁ、お前の心はどこにあんの?
 どこに行っちまったんだ?
 俺を見てよ。
 こうやっているだけじゃ物足りない。
 イヤなら殴ったっていいんだぜ?
 こうやって空虚なお前よりずっといいんだから、さ。
 髪についた花びらを一枚、戯れに唇で摘んで食べた。



 はっきりしない花曇りの空に投げ捨てた僕のココロ。
 見失って消えた。
 そのまま帰ってこなくてもいい。
 所詮僕という空虚な器に入れるべきココロなんてどこにもない。
 世界は灰色に染まる。
 貴方の唇に摘まれた花弁。
 妙に艶かしくて。
 なぜかそこだけ鮮やかな色に彩られていた。





 開け放った窓から花の香りが漂ってくる。
 凭れかかって居眠りを始めたこいつの髪が肩にかかってくすぐったくて。
 そういや、ラベンダー色ってのは同性愛の色なんだってどっかで聞いたっけ。
 こいつに教えたらどんな顔すんだろうな。
 二人で微睡む午後の浴槽。
【「浴槽」「ラベンダー」「寝る」】


 こんなにも簡単な事なのに。
 誰だかわからない相手を殺めるのは。
 その誰か、に意味を持たせた途端、殺戮の刃は鈍る。
 貴方が他人なら、良かった。
 誰だかわからないままなら、良かった…。
 今はもう、貴方を殺せない、僕には。
 だからひたすら、殺されるのを、待っています。
【「誰」「簡単」「待つ」】



「え~、俺そんなに大食いか?平均よりちょっと多いだけだろ~」
 ぷくっと脹れた頬はふわふわのマシュマロみたいで。
「なぁ、もっと喰いたい!」
 平均だと言い切るわりにはまだ食べ足りないのか、頭を擦りつけてさらに食い物を強請る。
 仔犬みたいなこいつから目が離せない。
【平均・ふわふわ・擦る】


「お前なんか大っ嫌い」
 その言葉が愛情の裏返しだとはわかっているけど。
 それでも面と向かって言われたらショックなんですよ。
 僕に限ったことじゃないんです、言葉ってね、凶器になるんですよ、知ってます?
 言いたいけど言えなくて…ただ眠れぬ夜を数えて…今日も寝不足。
【「限る」「寝不足」「裏」】


 ただ器械的に。
 何も考えず。
 無心に。
 黙々と敵を倒す。
 心はすっかり乾き切っていて、殺すというタブーでさえ禁忌であることを忘れてしまう。
 それでも…たった一つ。
 自らが滅びても、お前だけは守る、という意思だけは固まっていた。
【「乾く」「無心」「固まる」】







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